不妊治療

不妊治療

treatment診療のご案内

INSPECTION不妊検査

当クリニックで行っている検査

子宮頚がん検査

子宮頸がん発見の為の検査です。

クラミジア検査

子宮頸部を綿棒で拭いクラミジア菌がいるかどうか調べる検査です。
クラミジアに感染すると卵管が周囲に癒着したり、卵管を閉塞させる原因になります。

経腟超音波検査

子宮や卵巣に異常がないか、また子宮内膜の厚さや卵胞の発育などをみていきます。

子宮頚管粘液検査

頚管粘液は排卵の頃になると量が増し、透明度が高くなり、糸を引くように変化します。量が少ない、濁っている、粘調度が高い場合は精子が子宮の中に侵入することができず、不妊の原因になります。

血液検査

  • FSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体化ホルモン)
    脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンです。
    卵巣に働き、FSHは卵胞を育て LHは排卵を起こし黄体を形成します。
    脳下垂体機能、卵巣機能を評価します。
  • E2(エストロゲン)、P4(プロゲステロン)
    卵巣から分泌されるホルモンです。E2は卵胞の発育や子宮内膜の増殖を評価します。
    P4は排卵の有無、黄体機能を評価します。
  • PRL(プロラクチン)
    脳下垂体から分泌するホルモンで、乳汁分泌ホルモンと言われます。
    プロラクチンの値が高くなると、無月経、無排卵になります。
  • TSH、T4、T3(甲状腺ホルモン)
    甲状腺疾患による月経異常や無排卵がないかを調べます。
  • AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP
    肝機能を調べます。
  • 抗核抗体
    不妊症、不育症の原因となる抗体がないか調べます。
  • 抗精子抗体
    精子を拒絶してしまう抗体がないか調べます。
  • 風疹抗体
    妊娠中の風疹に罹患した場合、胎児に様々な障害が出る可能性があります(先天性風疹症候群)。そのため、妊娠前に風疹の抗体があるか検査をします。抗体が低い時は妊娠前にワクチンの接種を推奨します。

通水検査

費用5,500

生理食塩水を子宮の入り口から注入し、子宮の内腔を充満させることによって、受精卵が着床する子宮内膜の状態(ポリープや粘膜下筋腫の有無)などを調べ、生理食塩水が左右の卵管にスムーズに入っていくかによって、卵管の通りを評価する検査です。

精液検査

費用1,100

精子の状態を正確に知ることで、現時点でどの不妊治療を進めるのが良いかを、ある程度見通すことができます。

着床不全検査

良好な胚を4個以上かつ3回以上胚移植しているのにかかわらず着床できない状態を「反復着床不全」と定義されています。その原因としては、①子宮内環境の異常、②胚の遺伝子異常、③免疫寛容の異常があります。このうち①子宮内環境の異常を調べる検査が以下の検査になります。
反復着床不全の方や移植できる胚の少ない方、子宮内膜厚が7.0㎜以上あり、子宮側に問題を認めないにもかかわらず着床できない方に推奨されています。

  • ERA(子宮内膜着床能検査)費用105,000子宮内膜で着床が可能な時期のことを「着床の窓」と言います。これは月経周期の19日目から22日目付近とされています。しかし反復着床不全の患者さんの25%~30%ではこの着床の窓の時期がずれていることが報告されています。子宮内膜の発現遺伝子を解析により、個別に子宮内膜の最適な着床時期を事前に調べ、その個人に合った時期に移植を行うことで着床率を高めることを目的としています。
  • EMMA(子宮内膜マイクロバイオーム検査)
    ALICE(感染性慢性子宮内膜炎検査)
    費用52,000 近年の報告によれば、子宮内腔には108種類の細菌が存在し、子宮内膜の常在菌であるLactobacillus属(乳酸菌)の割合が90%以上を占める場合が妊娠に適しているとされています。そこでEMMA検査では各細菌の分類および相対的定量化を行い、存在する細菌の菌生バランスや存在量を総合的に判断することを目的としています。
    また、ALICE検査では不妊の原因となる慢性子宮内膜炎の原因菌の有無を次世代シークエンス技術により検出することで、慢性子宮内膜炎発症のハイリスクの方を早期に検出し、必要な治療を提案することを目的としています。
    これらの検査により、胚移植の前に適切な子宮内環境に整えるため、患者さまそれぞれに合った適切な治療が提案できます。
  • EndomeTRIOエンドメトリオ検査(ERA+EMMA+ALICE)費用140,000 1回の採取(細い綿棒で子宮内膜の一部を採取)で3つの検査を同時に受ける事ができます。 最先端の遺伝子検査技術の為、検査結果は約3週間かかります。

TREATMENT一般不妊治療

  • 2022年4月から
    一般不妊治療(タイミング法、人工授精)が保険適用になりました。
  • 一般不妊治療保険適用は年齢、回数制限はありません。
  • 当該患者及びパートナーが婚姻関係にある方。
    治療の結果、出生した子について認知を行なう意向がある方が対象になります。
    上記以外の方は自費診療になります。

タイミング法

不妊治療におけるタイミング法では、超音波検査で卵胞の大きさ、子宮内膜の状態を確認し、医師が正確に排卵日を予測し、効果的な性交渉のタイミングを指導します。
卵胞が育ちにくい、排卵がおこりにくい場合は飲み薬や注射を使用します。

通院回数
3~4回/1周期

人工授精

排卵日の予測までタイミング法と同じです。
排卵日のタイミングに合わせて人工授精の日程を決めます。当日は自宅で採取した精液を持参していただき、遠心分離し、不要物である白血球や細菌を除去し、運動性の良い精子を子宮内に直接注入する方法です。

通院回数
4~5回/1周期
費用
5,460円(保険)
18,000円程度(自費)

一般不妊治療の流れ
(タイミング法・人工授精)

  • 排卵誘発剤の内服薬 or 注射薬
    内服薬
    クロミッド、セキソビット、レトロゾール等
    注射薬
    HMG製剤、FSH製剤等
  • 超音波で卵胞の計測をします。
    卵胞が育ち、排卵をする準備が整ったら、排卵を促す注射をします(筋肉注射)。
  • タイミング療法排卵を促がす注射の翌日と翌々日でタイミングをとって下さい。
    黄体期の内服薬処方があります。
  • 人工授精排卵を促がす注射の翌日か翌々日で人工授精の予約をとります。
  • 人工授精当日着床を促す注射をします(筋肉注射)。
    黄体期の内服薬処方があります。
  • 1週間後、超音波で排卵確認(排卵していない場合)と子宮内膜の状態を確認し、着床を促す注射をします(筋肉注射)。
  • 生理が遅れたら自宅の妊娠検査薬で妊娠検査をして下さい。
    結果を病院に連絡していただき、診察の予約をとって下さい。
  • 生理が始まったら次周期の治療の予約を生理5日目までにとって下さい。
    次周期の治療は尿検査から始まります。

ART高度生殖補助医療

体外受精

卵巣に形成された成熟卵胞から卵子を体外に取り出し(採卵)、精子と受精させ(媒精)、さらに数日間育てて(培養)得られた受精卵を子宮内に移植(胚移植)して妊娠させる治療法です。
体外受精は次のような場合に行われます。

  • 卵管が閉塞もしくは狭窄している場合
  • 卵管周囲癒着などによるピックアップ障害がある場合

卵管性不妊症

  • 人工授精によっても妊娠できない場合

乏精子症・精子無力症

  • 抗精子抗体のため人工授精によっても妊娠できない場合

免疫性不妊症

  • 不妊原因が判明せず、一般不妊治療でも妊娠しない場合

原因不明不妊症

  • 子宮筋腫や子宮内膜症が進行することによって、妊娠が困難になることが予想され、妊娠を急ぐ必要のある場合

婦人科疾患の合併症

  • 高齢のため、卵子の質の低下が予想され、妊娠を急ぐ必要のある場合

高齢

  • 排卵誘発剤により卵巣過剰刺激症候群などの副作用を繰り返し継続が困難な場合
  • 過排卵による品胎以上の多胎妊娠のリスクが高い場合

重症排卵障害

体外受精の流れ

  1. 卵巣刺激 排卵誘発剤を使用して卵巣中の複数の卵胞(卵子の入っている袋)を育てます。
    超音波検査やホルモン測定で採卵のタイミングをチェックします。
    採卵は基本的に採卵日の2~3日前に決定します。
  2. 採卵 採卵は経腟超音波で卵巣と卵胞の位置を確認しながら、膣壁から卵巣に細い針を刺し、育った卵胞から卵子を吸引して体外に取り出します。
    採卵日には、ご自宅で採精していただいたご主人様の精液をご持参下さい。
    採卵日の流れはこちら
  3. 受精 採卵で採れた卵子と精子を採卵当日に受精させます。
    受精に使用する精子は密度勾配法とswim up法を併用し、より状態の良い精子を選別します。
    • 一般体外受精法
      卵子と精子を同じ容器に入れ、卵子と精子の力だけで受精させる方法です。
    • 顕微授精
      細いガラス管に精子を一匹だけ吸引し、卵子の細胞質内に直接精子を注入して受精させる方法です。

      顕微授精は次のような場合に行われます。

      • 重症の乏精子症、精子無力症の場合
      • 無精子症で精巣内精子、精巣上体精子を用いる場合
      • 体外受精を予定していたが、当日の精子の状態が悪い場合
      • 受精障害が予想される場合
  4. 培養 受精卵(胚)を培養液の中で培養し、育てます(最長6日間の培養)。
    胚が順調に育つと細胞分裂を繰り返し、細胞数が増えていきます。
  5. 胚移植 順調に育った胚をカテーテルを使って、子宮の中に戻します。移植日の流れはこちら

採卵日の流れ

自転車・バイク・自動車の運転は、帰宅時危険なため控えて下さい。

麻酔を使用するため午前0時以降は絶飲食です。

  1. ご夫婦の診察券と保険証・同意書・基礎体温表・精液検体を受付へ(朝の8~9時頃来院)
  2. 必ず排尿を済ませて下さい。
  3. 術衣に着替えて点滴を開始します。
  4. 採卵室にて名前・生年月日確認・血圧計・モニターをつけた後に麻酔を開始します。
  5. 膣洗浄後、細い針で医師が卵胞液を吸引します。(約5~15分)
  6. 採卵後、安静室にてお休み下さい。(麻酔の状態により約3~4時間)
  7. お飲み物とお菓子でリラックスして下さい。
  8. 診察後、医師より採卵個数と今後のスケジュール説明
  9. 処置室にて、診察予約
  10. お会計
  • 診察後異常がなければお昼過ぎにご帰宅になります。
  • 多量出血・腹痛などの緊急時には、当院へ24時間いつでも電話連絡できますのでご安心下さい。
  • 新鮮胚移植の方は、翌日に培養士から受精確認のお電話があります。
    全胚凍結の方は、次回診察時に報告書をお渡しします。

移植日の流れ

移植の2時間前に排尿を済ませて、2時間ぐらいかけて水300ml程度をお飲みになり排尿せずに来院下さい。

膀胱に尿が貯まっている方が、移植をスムーズに行えます。

膀胱に尿が貯まっていない場合は、移植の時間が遅くなる可能性があります。

移植1時間前に子宮の収縮を抑える薬を内服して下さい。

  1. 診察券・同意書・基礎体温表を受付へ(12~13時頃来院)
  2. 名前・生年月日確認後、内診台に横になり持参したバスタオルをかけて下さい。
  3. 培養士から移植胚の説明
  4. 柔らかいチューブで少量の培養液と共に胚を子宮に戻します。(約5分)
  5. 内診台にて2~3分安静後、お手洗いへ
  6. 診察にて医師より今後のスケジュール説明
  7. 処置室にて、診察予約
  8. お会計

移植後の過ごし方

  • 麻酔は使用しないので、お食事や運動の制限はありません。
  • 移植日はシャワーのみにしていただき、翌日から湯船につかれます。
  • 移植日は細菌感染を防ぐため、性交渉は控えて下さい。
  • 妊娠判定(約2週間後)までの間も普段通りの生活をして下さい。
  • お仕事を休む必要もありません。
  • お薬は妊娠維持に必要なため医師の指示通りに服用して下さい。